カナダの冬はとても寒く、マイナス30度を下回ることもあります。そのため、古い家では薪ストーブを炊いて、冬越しをします。カナダの寒い冬を快適に過ごすためには薪ストーブは必須アイテムですが、そのための準備は初夏から行わなくてはいけません。
まさに、今冬のための準備を行います。今回は、薪ストーブに使う薪の種類とその燃費についての話です。
カナダの田舎では薪ストーブが最も効率的な理由
私が住む、カナダでは、冬の暖房設備として薪ストーブがよく用いられています。モントリオールでは、薪ストーブを新たに作るのは禁止されているので、新しい住宅には本物の薪ストーブはありません。しかし、古い住宅を借りたり中古の家を買ったりすると、薪ストーブが内装されていることが多いようです。
特に、田舎に行くと、薪ストーブは一般的です。というのも、カナダの冬の積雪量は半端ないので、電力が止まってしまうこともあるんです。最近では、90年代に雪嵐によって電力供給が断たれ、その状態が1週間続いたことがあったそうです。
そんな時にも、薪ストーブがあると、電気の有無にかかわらず暖を取ることができます。
薪ストーブの薪は初夏に準備を始める
我が家も、薪ストーブを使って冬越しをします。外はマイナス30度の世界でも、家の中は20度と暖かく、Tシャツ1枚で過ごすこともできます。また、日本の電気ストーブなどと異なり、家全体が暖かくなるので、トイレも浴室もぬくぬく状態になります。
そんな薪ストーブですが、準備にかなり時間と労力を費やします。まず、ストーブで炊くための薪は春から初夏にかけて準備します。森の中に住んでいるとその辺の木を切り倒して使えばいいんじゃないの?と思ってしまいますが、切ったばかりの木は、湿っていて燃料としては使えません。
そのため、その年の冬に必要な分の薪を、初夏までに購入し、きちんと並べて乾燥させておく必要があります。これは、早く準備を始めれば始めるほどよく、燃料となる木の乾燥具合が甘いと、ストーブの燃料としては役に立たないんです。
薪ストーブ用の薪を木こりから買う
都会に住んでいる人には、「えっ」と思う話かもしれませんが、この近くには木こりとして生計を立てている人が多くいます。
もちろん、木を切って、燃料として販売してお金を稼いでいる人たちです。取引先の木こりさんの家を訪問したことがありましたが、かなり大きな敷地内に、倉庫のような大きな家屋を持っていて、そこが工場のように使われていました。家というとそれはもう、豪華なもので、敷地内にプールはあるわ、湖はあるわ・・・。
そんな木こりさんから木を買うと、こんな感じで配達されます。薪というのは「コード(Cord)」という単位を使って図ります。1cord=約3.6立方メートルだそうです。
それをこんな感じに、積み立て、乾燥させます。
薪に使う木材によって異なる燃料価値
薪といっても、どんな木でもよいというものではありません。木の種類によって、燃料として価値が高いものと低いものに分かれます。
ここで手に入る薪材で、もっとも燃料価値が高いといわれるのは、ブナやオーク類です。メープルもまあまあいいみたいですね。白樺も最高とは言えませんが、燃料として使えます。
手に入りやすいのは、ブナやメープルなので、木こりさんに頼むと、たいていはこれらの薪材を持ってきてくれます。
ちなみにこの写真は、庭に生えていた白樺の木を切り倒したものです。あまりに大きくなりすぎて、庭の日当たりが悪くなっていたので、思い切って切ってもらいました。
煙突の掃除も忘れずに・・・
薪の準備もなかなかきつい作業ですが、煙突の掃除もけっこう骨が折れる作業です。1年に1度、快適に冬を乗り越えるためなので、気合を入れて掃除します。