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落ち葉コンポストの作り方―森で採取した古い落ち葉で堆肥化促進

落ち葉コンポスト コンポスト

私が住んでいる場所は森に囲まれています。秋になると大量の落ち葉が降り積もります。これを利用して落ち葉コンポスト(有機堆肥)作りができることは知っていたんですが、これまではあまりやっていなかったんですね。考えてみるともったいないことです。そこで、今年は本格的に取り組むことにしました。

ただし通常の落ち葉コンポストのやり方とはちょっと異なっています。森の中ですでに分解されかかっている古い落ち葉を拾って堆肥化を短縮しようという試みです。

カナダの森で行っている、私流落ち葉コンポストの方法を紹介します。

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落ち葉コンポストの基本のやり方

落ち葉コンポストとは、落ち葉を集めて有機堆肥に変えることを指します。落ち葉を集めて箱や袋の中に押し込み、適度な水分を与えて放置するというのが基本のやり方になります。

特別なコンテナーを用意しなくても、ゴミ袋でもできる方法です。落ち葉さえあれば気軽に始めることができます。

菌やバクテリアの力を借りて、コンテナーの中で落ち葉を発酵分解させ、腐葉土にするのです。そのため、米ぬかや油粕などの発酵を促進するものを入れるのもよいみたいです。落ち葉と土を交互に入れるという方法もあります。

やり方はいろいろありますが、いずれにしても基本は落ち葉を集めて容器に入れ、適度な水分を与えた状態で放置するわけです。ただし、けっこう時間がかかるようで、発効促進するものを入れたとしても半年はかかるみたいなんですね。

我が家は寒冷地帯にあるので、さらに時間がかかりそうです…。ということで、少しでも堆肥化の時間を短縮したいということで、森の中ですでに発酵が進んでいる落ち葉を集めてコンポストにすることにしました。

森で採取した土は畑に使えるのか?

ここ数年、自家菜園で野菜を作っています。あたらめて思うのは土壌がいかに大切かということです。野菜に作りに関しては私はまだまだ素人ですが、できるだけお金をかけずによい野菜を育てたいと考えています。それでふと思いついたのが、「森の腐葉土を畑の土として使えば野菜はよく育つのか?」ということ。

森には毎年落ち葉が降り積もります。そして積もった落ち葉は森の生き物やバクテリアなどによってゆっくりと分解され、やがては土になります。これが腐葉土です。

ふだん私たちは、ガーデニングの季節になると自家菜園用の土を購入しています。生ゴミコンポストも作ってはいますが、それだけでは足らないのでガーデニングセンターなどで腐葉土を買っているのです。

でも、その辺の森に入れば、腐葉土はいっぱい積もってない? と、思ってはいたんですよね、笑。

理論的には森で採取した腐葉土を畑の土として使うことは可能だと考えています。ただ、森には森の植物が育っているので、この土を自家菜園の土壌として使ってしまうと、畑には望ましくない植物が育ってくるのではないかという不安もあります。

そんな不安はありつつも、今年は実験的に森で採取した腐葉土を畑に使ってみようと思ってはいるんですが、それはまた別の話で。

とにかく、雑草や望ましくない植物が育つことが不安なら、腐葉土を自分で作ってしまえばいいんじゃないかという発想で、落ち葉コンポストを作ることにしました。

森で採取した落ち葉をコンポストにする方法

やり方は冒頭で紹介した基本の方法と同じです。違うのは、新しく落葉した落ち葉を使うのではなく、前年以前に落葉してすでに分解され始めている落ち葉を使うということです。

落ち葉コンポストは適当なサイズの箱か袋があれば始めることができますが、本格的に行いたいという人には専用の容器も販売されています。こちら(カナダ)では比較的ポピュラーなようで、この専用容器、実は我が家にもあったんですね~(だったら早く使え、笑)。

落ち葉コンポスト専用容器を使った方法

この家の以前のオーナーが設置したみたいで、森の中にあります。ぱっと見は核シェルターかなにかの入り口のようにも見えます。

落ち葉コンポスト

画像右側のプラスチック容器がそれです。写真には写っていませんが、蓋もついています。周りは私が集めた落ち葉でいっぱいのゴミ袋たち。

このコンテナーに落ち葉をぎゅうぎゅうに詰めて、水をかけて放置すればいいのです。さっそくやってみましたが、かなりの大きさがあり、落ち葉でいっぱいにするのに時間がかかりました。

この落ち葉コンポスト専用容器には底がありません。落ち葉コンポストはちゃんと排水できることも条件になりますが、この専用容器は直接地面に排水できるようになっているんです。周りの壁部分は地面にボルトで固定できるようになっています。だから積み上げた落ち葉の上にのって圧力をかけても、容器が倒れたりしないようになっているんですね。

今蓋を開けているのは、雨が降っていて雨水を入れ込もうとしているためです。雨が止めば蓋を閉めて湿気をキープします。

これから冬になれば雪が積もるので、蓋をして春まで放置することになります。

ゴミ袋を使って行う落ち葉コンポストの方法

森には大量の落ち葉が降り積もっています。それで、専用コンテナーだけでは全然足らないので、ゴミ袋を使った落ち葉コンポストも行うことにしました。

ゴミ袋を使う落ち葉コンポストの方法は次のような手順で行っています。

  1. ゴミ袋に、森で集めた落ち葉と腐葉土を交互に入れる
  2. 袋がいっぱいになったら上から圧力をかけて圧縮する
  3. 袋の底に近い部分に排水用の穴を数か所開ける
  4. 水分を含ませた状態で袋を閉じて放置

落ち葉の分解には適度の水分が必要です。それで、雨上がりを待って森で落ち葉を集めるようにしています。十分に雨水を含んだ落ち葉が大量にあり、わざわざ水分を加える必要がないためです。幸い今年は雨が多く、ほとんど毎日のように落ち葉採取ができています。

森で発酵分解が進んだ落ち葉を採取する

私が住んでいる地域は寒冷な気候ですが、さすがにまだそれほど落葉は始まっていません。とはいえ、山の樹々は紅葉し始めているので、すぐに落葉の季節になるでしょう。

堆肥化の時間を短縮するため古い落ち葉を集めるわけですが、新しい落ち葉が落葉する前にやってしまわなくてはいけません。

さっそく森に入ってみましょう。

森に積もっている落ち葉

しっとりと湿り気を帯びた落ち葉が積もっています。まだ今年の落葉は始まっていないので、上に見えるのは去年の秋降り積もった落ち葉です。

森の落ち葉の下には腐葉土が

一番上の落ち葉の層をかき分けると、発酵分解が進んで粉砕しかけている落ち葉の層があります。それをさらに押しのけると、上の画像のように黒い腐葉土がのぞきます。

雨に濡れた落ち葉と、その下の分解が進んでいる落ち葉(おそらく数年前落葉したもの)とを交互にゴミ袋に入れていきます。

雨上がりの落ち葉

雨上がりの落ち葉です。小枝もたくさん散らばっています。触ってみてスカスカになっている枝やすぐにボロボロになる枝は、落ち葉コンポストの中に入れています。比較的新しく硬い枝はゴミ袋に穴を開けるだけなので、できるだけ入れないようにしています。

分解されてボロボロになる落ち葉

分解が進んだ落ち葉は、葉脈を残し透き通ってきます。こうしてだんだんとボロボロになり、やがては土になるのですね。

カビのついた落ち葉

上層の落ち葉をかき分けると、このように白くカビの付いた落ち葉を見つけることもあります。カビも堆肥化にいい仕事をしてくれる(はず)ですので、このようにカビ付きの落ち葉もコンポストにいれちゃいます。

ミミズもいいですね。見つけたらコンポストの中に入れるようにしています。

朽ちた木の幹

上の画像はちょっと分かりにくいですが、森の中で朽ちて倒れた木の幹が分解されかかっているものです。これも手で触ってみてすぐに砕けるくらいのやわらかさなら、落ち葉コンポストの中に入れるようにしています。

うちの敷地内には広葉樹だけでなく針葉樹も生えています。ひと言に落ち葉といっても針葉樹の葉は、広葉樹の葉に比べて堆肥化に時間がかかるようです。とはいえ、針葉樹の葉も時間をかければ土に還元されるんですけどね。

そんなわけですので、私もできるだけ針葉樹の、特に若い葉はコンポストの中に入れないようにしてみました。

天然のピートモス?

落ち葉の下で粉砕されてしまっている昔の落ち葉

このように、落ち葉や枝とも土とも区別しにくいような土もたくさん積もっています。このくらいまで分解されたものは、落ち葉の間に挟み込んでさらに堆肥化を促してみます。

完全に腐葉土になっている土は、すぐに使える土としてこれも採取しています。ただ、腐葉土の層になると、木の根なのか苔なのか分からないような細かい根が大量に育っているのです。まるで、毛細血管のように森の土を網羅しているのです。それで、地面を踏むとスポンジのようにふかふかなのです。

とくに苔むした木の幹や岩の近くではこの根っこの網が大量に繁殖していて、「これはもしかして、天然のピートモスなのでは?」と、ちょっとワクワクしています。

ピートモス (英: Peat moss)とは、ミズゴケ類などの蘚苔類、ヨシ、スゲ、ヌマガヤ、ヤナギなどの植物が堆積し、腐植化した泥炭(でいたん)を脱水、粉砕、選別したもの。農業、園芸用土、もしくは土壌改良材として用いられる。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A2%E3%82%B9

森で採取した腐葉土にデメリットはある?

以上のように、森で古い落ち葉を集めて落ち葉コンポストを作っています。今年が初めての試みなので、結果は来年になってみないと分かりません。

それと同時に、すぐに使える土壌として、さらに生ゴミコンポストの発効促進剤として、腐葉土も採取しています。

こちらが集めた腐葉土の写真です。

森で集めた腐葉土

なかなかいい感じだと思うんですが、どうでしょうか。園芸店で購入する園芸用土もこんな雰囲気じゃなかったかな。

森で集めた腐葉土にデメリットはないのかという話ですが、先に書いたように、腐葉土の中に森に自生している植物の種子や根っこが入っていると、それが畑で発芽してしまうのではないか、という不安があります。

それと、もう一つのデメリットは、土の中に住んでいる虫たちもいっしょに採取してしまうことがあるということです。ミミズならよい土壌を作るのを手助けしてくれるので、まあいいのですが、アリや蜘蛛とかはいかがなものでしょうか…。

集めた土を屋外で利用するならいいですが、室内のプランター土として使う場合、あまり大量の虫たちは持ち込みたくないですよね。

だから私は森で腐葉土を集める際、シャベルでごっそり土を掘り上げることはしません(一度そうやって、蟻を大量に拾い上げてしまったので)。小さなスコップと素手で少しずつ土を集めるようにしています。

面倒くさい…と思われるかもしれませんね。でも、手のひらで腐葉土を触っていると、とてもリラックスした気分になるのです。上手に発酵させることができたパン生地の心地よさと似ています。だから、また森に入りたくなる。

それで、さらに野菜や花をよく育てることができるなら、なんて素晴らしいことだろうと思うのです…

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