田舎の家の裏にはちょっとした湖があります。この湖にはビーバーが生息していて、湖の中央部に立派なビーバーダムが建設されています。
ビーバーの習性
ビーバーは北アメリカやシベリア、中国、ヨーロッパの北部に生息しています。体長は74~130㎝、体重は30㎏ほどにもなります。ネズミの仲間なので、大きなネズミのように見えなくもないですが、後ろ足には水かきがあり、大きな平べったいオールのような尻尾を持っています。
哺乳類ですが、陸で生活することはあまりありません。水の中に木の枝や泥で巣を作り、陸上の天敵から身を守るため、ダムを作って巣の周りの推移を確保するのです。
ビーバーは、大きく丈夫な歯をもっていて、直径15㎝の木であれば10分程度で倒せるといいます。草食性で、木の枝や草を食べて生活します。
ビーバーダム
ビーバーは、人間以外で唯一、住処の周りの環境を作り替える動物だといわれています。ビーバーダムは、木の枝や泥、草などを巧妙に組み合わせ、大規模に作られます。ビーバーダムの建設は、ビーバーが本能として持っているものらしく、誰に教わることなくできるのだといいます。
また、ビーバーは川の流れる音に反応して、ダムを建設することも最近分かってたとか。そして、せき止めてできた池の中央に自分たちの巣を建設します。
ビーバーの巣とビーバーダム
ビーバーがダムを作ることで、周りの自然環境が変化します。川の流れがせき止められることで、水鳥がそこに住めるようになります。たしかに、うちの裏にある湖にも渡り鳥のカナダガンが毎年やってきます。
水流をせき止められて出来上がった池の水中には、多くの水草も育つようになります。数年たつと、池は泥でおおわれてしまい、肥沃な泥上の土が、植物を育てるというサイクルになります。
ビーバーダムの建設による被害も
カナダでは、ビーバーがダムをつくることによってもたらされる被害も報告されています。例えば、ビーバーがダムをつくることによって、せき止められた水が、何らかの理由でダムが決壊した時に小規模の洪水となり、道路を塞いでしまうなどといった事例です。
そのため、カナダの自治体では、定期的に見回りを行っているようで、危険な場所にダムがつくられていると、それを壊して回るようです。せっかく作ったダムを壊されるビーバーのことを思うと、ちょっとかわいそうな気もしますね。
ビーバーはカナダの国獣
ビーバーはカナダの国獣に指定されています。ちなみに、トロント発祥のカナダのブランド「Roots」のロゴもビーバーです。私は、カナダに来る前まで、ねずみだと思っていましたが・・・。
田舎の家の裏山には、ビーバーのかじった木があちこちに倒れています。30㎏の体で大木を倒すビーバーの威力にはすさまじいものを感じます。