我が家では、台所で出る食品ゴミ(生ごみ)をコンポスト(有機堆肥)にしています。土に還元して畑の土壌として再利用するためです。
もともと数年前からやっていたんですが、このコンポスト専用の容器というものがとても大きくて、私ひとりでは扱うことがむずかしいのです。それで、私でも簡単に生ごみコンポストを作れるシステムはないかということで、ミニコンポストを始めることにしました。
私の場合はガレージで行っていますが、ベランダや室内でも可能な方法です。生ごみコンポストの簡略版として紹介します。
これまでの生ごみコンポストやり方
これまでやっていた生ごみコンポストのやり方は、次のような三段階になっています。
- 台所でコンポストに使える生ごみを小さな容器にためる
- 容器がいっぱいになったら、屋外にあるコンポスト専用ゴミ箱に生ごみを移す
- 一年に数回、コンポスト専用ゴミ箱の中身を庭のコンポスト場に移す
これは、私がカナダにやってくる前から夫がこの方法でやっている方法ですので、それなりに年季が入っています。
コンポスト場は庭の木が生い茂っているところにあります。そこに、だいたい一年に一回か二回、ゴミ箱の中身を開けるのです。
コンポスト場のコンポストは数か月ごとにかき混ぜるのが理想的ですが、私が住んでいる場所は豪雪地帯でもあり、冬の作業ができないため、春先と秋の終わりの年二回かき混ぜをおこないます。
こちらが我が家のコンポスト場です。かなりおおざっぱな作りですが、まあこんなものでしょう。木の囲いがしてあって、雨がたくさん降り込まないように、上には板をかぶせています。
蓋を取るとこんな感じになっています。この春に一度かき混ぜているので、上の方は土っぽくなってしまっています。
かき混ぜている長靴男性は夫です。けっこう大きいことが分かっていただけるでしょうか。
この中のコンポストと土を掘り起こしたりかき混ぜたりするのは、それなりの重労働です。しかも、ガレージの勝手口外に設置しているコンポスト専用ゴミ箱というのが大きくて、
これなんですけどね、35ガロン(約132リットル)なのです。年に一回の作業とはいえども、いっぱいになったこのゴミ箱をゴロゴロ引っ張ってコンポスト場に移動させるだけでもたいへんです。
そもそもコンポスト作りは、定期的にかき混ぜてやる方が堆肥化がより速く進みます。それで、私でも手軽にできて、さっと作ってすぐに土壌として使えるやり方はないかと思い、以前このブログ内の別記事で紹介した、ガーデニングに使った古い土を利用した生ごみコンポスト簡略版をやってみることにしました。
生ごみコンポストをより手軽に
とにかく、容器が大きいと運ぶのもかき混ぜるのもたいへんなので、小さくて小回りが利く方法として、ガーデニング用のプランターを使ってコンポストを作ることにしました。
以前紹介したやり方は、モントリオール市内のアパートに住んでいたとき、バルコニーで実際に行った方法です。
やり方はほとんど同じですが、今回はガレージの中で行い、複数のコンテナーを使っています。
生ごみコンポストを行う場所について
前回はベランダで行う方法として紹介したんですが、今回はガレージで行うことにしました(ともそもベランダがない)。
我が家の作りからして、ガレージがキッチンからのアクセスしやすい場所にあることと、土とかが多少散らかっても気にならないことが理由といえば理由でしょうか…。
それと、家の中でガレージが一番温度が高いのも理由の一つです。ガレージの屋根が半透明のトタン屋根になっていて、日光が差し込むので半温室のような状態なのです。
ある程度の温度がないと堆肥化が進まないので、うちの中ではガレージが最もよい環境だと判断しました。雨も振り込まないですしね。
生ごみコンポスト簡略版のやり方
それで、実際に私がやっている方法ですが、複数のコンテナーを使って行います。基本はベランダで行うコンポスト作りと同じですが、コンテナーの中に土と生ごみを交互に投入(土→生ごみ→土→生ごみ→土、という順番)し、コンテナーがいっぱいになったら二週間放置するというやり方になります。
キッチンで集めた生ごみを、屋外の専用ゴミ箱に入れる代わりに、ガレージで土の入ったコンテナーに入れていくということになります。
今は全部で7つのコンテナー(プランター)を使用しています。いちおう時計回りに新しいものになっています。画像に写っている6つのコンテナーの中では、中央上のスコップがささっているものが最も古く、その隣(左上)の少量の土しか入っていないものが最も新しいもの―生ごみ投入を待っている状態のものになります。
右上と右下のコンテナーの内容量が目減りしているのは、ときどきかき混ぜたり、量を調整したりしているためです。かき混ぜるタイミングは、コンテナーがいっぱいになってから数日後、そのあとは数日おきにかき混ぜて、堆肥化の進み具合を確認しています。
このように並べると、最も古いものと最も新しいものとが隣り合わせになることになります。最も古いコンテナーの中はほとんど堆肥化されているので、これを新しいコンテナーに「土」として使います。つまり最も新しいコンテナーの中は、堆肥化されたコンポスト→生ごみ→堆肥化されたコンポスト→…という構成になります。
堆肥化が進みやすいものとそうでないもの
こうやっていろいろな生ごみを日々コンポストにしていると、生ごみの中でも堆肥化しやすいものとそうでないものとがあることに気がつきます。
ちなみに、発効促進剤として米ぬかなどを入れる方法もあるようですが、私が住んでいるところでは米ぬかや油粕は手に入りにくいので使っていません。その代わりに最近は、森で採取した腐葉土を混ぜてみたりしています。
バナナの皮とかは非常に堆肥化しやすいです。完熟バナナの皮であれば、20度くらいの温度環境では1週間で堆肥化しました。おそらく適度に糖分を含み、水分もあるので、堆肥化が速いのでしょう。
逆に乾燥しているものや繊維質なものは堆肥化に時間がかかるようです。例えばとうもろこしの皮やヒゲですね。塊の大きなもの、ブロッコリーやキャベツの芯などはそのままでは堆肥化に時間がかかるので細かく刻んでからコンポストに入れるのがおすすめです。
アボカドの皮や種も堆肥化に時間がかかります。アボカドの種は、我が家のコンポスト場でもときどきそのまま残っていることがある(つまり、一年近くたっても堆肥化していないことがある)ので、かなり時間がかかると思っておいてよいでしょう。
うちでは卵の殻もコンポストとして入れています。卵の殻も比較的堆肥化に時間がかかるみたいなので、細かく粉砕してから投入する方がよいと思います。
アボカドの種やトウモロコシの芯など、細かく砕くのは難しいものはこの方法では行わず、屋外のコンポスト場に入れることにしています。
腐葉土で堆肥化(発酵)を促進させる
先ほどもチラっと書きましたが、最近は森で採った腐葉土を生ごみコンポストに混ぜて入れるようにしています。
森、というか、うちの敷地内の樹が茂っているところですが、落ち葉が降り積もってちょうどいい腐葉土になっているのです。腐葉土にはすでに菌などの微生物が付いているらしいので、これがコンポスト作りに一役かってくれることを期待しています。
さらに、腐葉土は炭素(C)を多く含み、生ごみコンポストは窒素(N)を多く含む傾向にあるらしく、両方を混ぜることでよい土壌作りができるみたいなんですね。それで実験的に腐葉土+生ごみコンポストをやり始めています。
生ごみコンポスト簡略版のデメリット
最後にこの方法のデメリットを書いておきます。
1.生ごみの中の植物が育ってくる
これが最大のデメリットかなぁと思っています。生ごみの中に入っている野菜の種がコンポストの中で発芽してしまいます。ニンニクなども根を生やしてしまったり…
それも楽しいといえば楽しいのですが、スーパーなどで買ってきた野菜の場合、遺伝子操作などされていることもあり、発芽しても実を結ばない場合もあるんじゃないかと思うんですよね。そうなると、発芽しているからといって育てても結局果実が出来なくてがっかり、なんてこともあえるんじゃないかと想像しています。
それでも、私はつい楽しくて、発芽した野菜(果物?)たちを小さなポットに植え替えて育てたりしています。中には根っこを生やし始めたアボカドの種もあって、どうでしょうか、育つといいなぁ…
2.ハエなどの虫をひきつけやすい
これは、お住まいの場所にもよると思うんですが、虫が寄ってくることがあるという点ですね。我が家では、フルーツ蠅というか、要するにコバエ(?)がよってきました。そもそも、キッチンに生ごみをためている時点でフルーツ蠅が集まってきてしまうので、私の場合はあまり気にならないんですが。
コンポストを作るコンテナーは、生ごみを土で覆ってしまうので、ニオイも気にならないし蠅がわいて仕方がないということはありません。
我が家は田舎なので、そもそも家の中に虫がいるのは当たり前的な現象でして、蜘蛛とかも普通にいますし…。そういえば以前はテントウムシが屋内で大繁殖してしまったこともありました。
そんなわけで、少々コバエがよってきてもあまり気にはなりません。でも、虫が苦手な人にとってはちょっとつらいかもしれないので、デメリットとして書いておきます。
生ごみコンポスト+腐葉土の効果
以上の方法でコンポストをやり始めてすでに1か月になります。コンポストでできた堆肥と腐葉土を混ぜたところに野菜の種を蒔いてみたんですが、やはりよく育つようです。発芽した芽の根のはり方が以前よりも良くなっていました。
何を入れるかにもよりますが、早ければ最短二週間で堆肥化できます。また、ガーデニングに使った古い土をリサイクルするためにも良い方法だと思うので、ぜひ一度試してみてください!
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