機嫌が悪い時や、なんだかイライラする時、焦げ付いた鍋をこすっていると、気分が落ち着いて来たり、妙に鍋をこするのに集中出来たりした経験はありませんか。普段なら、嫌でたまらない焦げ付いた鍋ですが、自分がいらいらしている時に鍋をこすっているとスッキリすることがあります。どうしてそんな効果があるのか検証してみました。
イライラとは何か
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私たちはよく「イライラする」と言いますが、そもそも「イライラ」とは何でしょうか。イライラするという状況は、何らかの原因で精神的にストレスを抱えた状態です。そのような状態になるには主に二つの原因が考えられます。
イライラの原因
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1.何か自分の思い通りにいかないことがある時
例えば、上司や家族、恋人との人間関係でうまく行かない時や、人生のことに不安があるとき、暑すぎたり寒すぎたりするときなど、イライラを感じることがあります。睡眠不足などの身体的な要因が加わるとさらにイライラは増大します。
イライラのために、家族や恋人に八つ当たりしたり、そんな自分にさらにイライラしたりして負のスパイラルに陥ることもありますね。
2.ホルモンバランスの乱れ
もう一つの原因はホルモンバランスの乱れです。これは生理前の「月経前緊張症(PMS)」と、閉経後に現れる「更年期障害」が挙げられます。ホルモンバランスの乱れによるイライラはその時期が過ぎればあっさり解消できたりしますが、女性にとって、生理は毎月のことですので、これも辛いものです。
自分で分かっていても、なかなかコントロール出来ないのがこのタイプのイライラの特徴です。
鍋を洗う行動と「イライラ」
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では、なぜ鍋を洗うとイライラがおさまるのでしょうか。
「イライラ」と運動
イライラを解消するためにはいくつか方法がありますが、その中に運動をすることがあります。身体を動かすとリフレッシュになり、ストレス発散になります。「鍋を洗う」という行動も、腕や肩、腰の筋肉を使いますよね。しかも結構力を入れて行うものです。そのため、一種のスポーツを行った後の爽快感と同じような効果が得られると思われます。
「鍋をきれいにする」という目的に集中できる
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人は何か目的があってそれに向かっている時は、他の些細なことからは忘れてしまうことがあります。何かの原因でイライラしている時も、その原因について考えることも大切ですが、同時にその問題にとらわれすぎないようにすることも大切です。
「鍋を洗う」という行為は、「鍋の焦げ付きを落とす」という目的のために行われます。そして、それを完了するまでは私たちはその目的に向かって、一生懸命になります。つまり、「鍋を洗う」という動作に集中することが、イライラの原因を忘れさせてくれるのです。
イライラの原因を短時間でも忘れることを経験すると、人は「そんな些細なことで悩んでいたのか」と、やや客観的に自分の抱えているイライラを見つけなおすことができます。それが、イライラを解消するための第一歩になると言えるでしょう。
目的を達成した時の達成感
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それが何であれ、目的を達成した時の充実感はとても爽快です。特に鍋の焦げ付きを落とすというのは、その行為が単純で、しかも結果が目に見えて分かります。誰でも、きれいに洗い上がったものを見るとすがすがしい気分になりますよね。
そのすがすがしさが充足感となり、自分の行った「鍋を洗う」という行為に対して、自分をほめてあげたい気持ちにさせます。その行為は日常のささいなことですが、まるで何か偉大なことをしたかのような気分になることもあります。
このような理由により、鍋を洗うとイライラがおさまると考えられます。鍋以外にも、「汚れているものをこすって落とす」、単に「掃除をしてピカピカにする」という行為であればどんなことでも置き換えられるので、試してみてください。トイレ掃除なんかもいいかもしれません。
これからは、イライラするたびに部屋がピカピカになっていくかもしれませんね。