カナダへは、日本人の場合、ビザなしでも6か月の滞在ができることになっています。しかし、2016年の3月以降、カナダへ空路で入国する場合には、あらかじめオンラインでeTAと呼ばれるビザの取得が必要となりました。
とはいっても、特に問題がなければ、オンラインから申請するだけですぐにeTAは取れます。私の場合もすんなりとeTAは取れたものの、毎回のことながら、入国の際には、入国審査で必ずひっかかります。今回は、カナダの厳しい入国審査をクリアした時のはなしです。
日本人がカナダへ空路で入国する場合、eTAが必要
私は現在カナダの永久居住権を所有しています。しかし、カナダのファミリービザは申請してから1年以上かかるのがザラなので、申請期間中は通常の観光客と同様の扱いになります。当然、カナダの入国の際にはeTAも必要でした。
2016年3月中旬以降、カナダへの入国には、eTAと呼ばれるオンラインビザが必要です。これは米国のESTAとよく似たもので普通の日本人なら、オンラインで申請すれば、すぐに取得できるはずです。
それ以前から、日本人がカナダへ渡航する場合、観光ビザなしでも6か月の滞在が認められているはずでした。それは、eTA導入以降も変わらないようなのですが、だからといって、すんなり6か月の滞在が認められるわけではないんです。
カナダの入国で長期滞在を希望すると二次審査がある
他の国では、ビザなしで一定の期間滞在できると認められる場合、入国と同時にほぼ自動的にその日数の滞在許可が得られることが多いと思います。しかし、カナダは、そうすんなりことが運びません。
カナダへ入国する際には、入国カード(税関申告も兼ねている)に、カナダでの滞在予定日数を書く欄があります。1週間程度の滞在なら問題ないのですが、ここに(本来問題なく滞在できるはずの)6か月と書くと、必ず入国審査でひっかかります。
あ、もちろんワーキングホリデービザや就労ビザをもっている人は別です。長期滞在の許可やビザがなく、eTAしか持っていない日本人のケースの話をしています。
長期滞在したいというと、別のブースへ連れていかれる
私の場合、5~6か月の長期滞在を希望して、すでに数回、カナダの入国審査を通り抜けました。そのたびに、通常の入国審査(パスポートコントロール)ではすまされず、別室に連れていかれ、2人目の審査官にインタビューされます。
まあ、早く住民権を取れということなんですが、またそれは話が長くなるので、別の機会に・・・。
私が最初の入国時から長期滞在を希望したのは、彼氏がこっちに住んでいたからです。しかし、入国審査で入国目的で「彼氏がいるから」と言ってしまうのは、入国を拒否される可能性が高くなるらしい。
入国審査官というのは、外国人がカナダに入国して、不法に長期滞在したり、不法就労をしたりすることを防ぐのが仕事です。そのため、「彼に会いに来た」などと言ってしまうのは、「不法に居座ってしまうのではないか」という疑いをもたれてしまうらしいのです。
6か月滞在したいときにはどう言えばいい?
じゃ、とりあえず「1週間滞在します」って言っておけば?と思うかもしれません。しかし、「1週間の滞在です」といってしまうと、カナダの場合、本当に1週間しか許可をくれないんです。パスポートの入国スタンプに日付を書かれて、それ以上滞在すると不法滞在になってしまいます。
そこで、私は、最初の入国時には「フランス語を勉強しに来た」と言いました。
すると、入国審査官は、「フランス語のスクールにお金を払い込んでいますか」と聞いてきました。一応フランス語の学校も下調べしておいたのですが、レッスン料は払っていませんでした。
「まだ払っていません、直接払いに行きます」というと、その審査官は、私の入国カードにマーキングして、通してくれました。というか、このマーキングを見た別の管理官が、あっちへ行けと別室を指さしたんです。
その別室には、数人の外国人が二次審査を待って並んでいました。「私だけじゃない」とちょっと安心しながら、待っていました。2人目の審査官は女性で、同じように「フランス語を勉強しに来た」というと、「学校の領収書は持っていますか」と尋ねられました。
「持っていません。オンラインで支払えないので、直接学校に行ってお金を払います」というと、「どこの学校に行くのですか」と聞かれました。
私は、前もって、スクールのホームページを印刷していたので、それを見せて、「ここに行くつもりです」と言いました。
彼女は、「何月何日から通うつもりですか」と聞いてきました。私は、実はスクールのスケジュールについては、ざっとしか目を通していなかったので、慌てて、印刷した予定表を見ながら「○月○日からのコースをとります」と答えました。
その審査官は、「お金はいくら持っていますか」と聞いてきたので、「アメリカドルで5,000ドル相当持っています」と言いました。
次に、「帰りの飛行機のチケットは取っていますか」と聞かれ、「取っています。レシートも持っています」と言うと、レシートは見せなくてよいといって、6か月の滞在許可をくれました。
回数が重なると審査はもっと厳しくなる
カナダへ2回目の入国の際も、ほとんど同じような感じで乗り越えました。「前回フランス語のコースをとったが、期間が短くて、身に付かなかったので、もう一度学校に通いたい」というようなことを言ったと思います。
そのときには、(本当にフランス語の学校に通ったので)前回とったコースのレシートも持っていきました。
3回目の入国の際は、3か月と短かったことと、彼氏と一緒に入国したので、特に問題なくすんなり通りました。
そして、今回が4回目となるわけですが、さすがに、回数が増えてくるとなかなか困難だろうと、一応自分としては万全の用意をして臨みました。
カナダ入国の際に用意したもの
今回は、さすがにこれ以上「フランス語の勉強」とか言い訳では通らないと思ったので、永久住民権を取得することを前提(これは事実)に、入国審査の際には、彼との関係を証明するものを用意しました。私が、今回のカナダ入国審査に備えて用意したのは、次のような書類です。
- 彼のパスポートコピー
- 彼のビジネスカードと連絡先
- 彼からの宣誓書(私たちの関係が事実であり、カナダ滞在中の私の生活費などを彼が経済的に負担するという内容のもの)
- 彼の在職証明書(月収を含めたもの)
- 彼の銀行口座残高証明書(最新のもの)
- 帰りの飛行機チケットの領収書
- カナダ滞在中の海外旅行傷害保険の領収書
- 彼の写真
- 日本へ一時帰国した時の家族との写真(日本へ家族と過ごすために帰国したという証明)
- 通う予定のフランス語学校のホームページを印刷したもの
カナダ入国審査で聞かれるポイント
これだけ何回も入国審査でひっかかっていると、だいたい何を聞かれるかがわかってきます。つまり、それに備えて答えを用意しておけば、安心ということです。
だいたい、いつも聞かれる質問は次のようなことだといえます。
- 長期滞在の目的
- 持っているお金の金額(長期滞在に必要な金額を持っていないとダメ)
- 職業(たとえ退職したとしても無職とは言わず、「前は何々をしていた」という方が良い)
- 帰りのチケットの有無
今回のカナダ入国審査
今回も、二人の入国審査官のインタビューをくぐったわけですが、用意した書類を一つずつ見せながら説明すると、二人目の審査官には「よく準備しましたね」とほめられました(笑)。
特に今回は、彼の経済的なサポートに頼るということを証明しなくてはいけなかったので、彼にそれに十分な経済力があることを証明するために在職証明書と銀行の残高証明書を提示しました。
ただ、今回は、「どうしてこんなに頻繁に出たり入ったりしているのですか、どうして永久住民権をとらないのですか」と聞かれました。その際には、私たちは婚姻ではなく、Common Law Partner(事実婚)として移民申請をしようとしているので、その旨を説明しました。Common Law Partnerに関しても、複雑になるので、あらためて別の機会に書きます。
さらに、「カナダにこんなに長く滞在していて、普段何をしていますか」と聞かれました。私は「ガーデニングをしたり、料理をしたり、フランス語を勉強したりしています」と答えました。
以前、「家事手伝いをして彼をサポートしています」と言ってしまった日本人女性が、お手伝いさん(Domestic Worker)として、マーキングされて入国を拒否されたという話を聞いたこともあります。なので、差しさわりのないような回答でやり過ごしました。
都市や入国審査官によって対応は異なる
こんな風に、私の場合は、何とか今回も通り抜けたわけです。しかし、カナダの場合入国する都市や審査官によっても、かなり対応に差が出てきます。個人の状況やそのケースによって、さまざまですので、これをすれば絶対大丈夫という保証はありません。
これから、カナダへの長期滞在を希望する人に少しでも役にたてばと思い、書いてみました。あくまで、参考としてくださいね。