うちの田舎の家は汲み取り式トイレです。その浄化槽がどうも機能していないらしく、臭ってくるので、蓋を開けてみました。そして、いろいろ調べていくうちに、ナチュラルな浄化槽というのはうまくできているということが分かってきたわけで。
都会のカフェでブランチ
私は以前、香港のど真ん中に住んでいました。それなりのお給料をもらっていたので、わりとバブリーな生活をしていたんです。日曜の朝は、ゆっくりめの朝食を食べ、リラックスした雰囲気で過ごしておりました。今から思えば、まあ浪費していたなあとも思いますが…。
それが、現在は、カナダの田舎暮らし。日曜の朝は、汲み取り浄化槽の掃除です…。
今は汲み取り浄化槽の掃除…
田舎なので、当然トイレは汲み取り式。しかも、最近どうも調子が悪い…。
庭に浄化槽が埋まっているんですが、その排水がうまく機能していないらしく、臭ってくるんですよね。ちょっと、これはよろしくないということで、排水パイプ周辺を掘り起こしてみることに。
すると、どうやら浄化槽から汚水が漏れていて、うまく排水パイプに注ぎ込んでいないらしいということがわかりました。
この浄化槽、いろいろ調べてみるとうまくできていることが判明します。
汲み取り浄化槽のしくみ
この家は、おそらく60年以上前に手作りで建てられたものです。そのため、多分、この浄化槽もトイレやキッチンからのパイプもすべて手作りのもの。
大きさは今ひとつよくわかりませんが、庭の一角にコンクリートブロックで作られたタンクが埋まっています。そこに、トイレ、お風呂、キッチンなどの排水が流れ込むという仕組みです。
そのタンクの下層部にはフィルターがあり、固形物が漉し取られた後の液体が、パイプを通って森の中(!)に排水されるという仕組みです。当然、固形物は、タンクの下層部にたまるわけです。
そして、その上澄み液がある一定以上の水面レベルを超えると、上部にある排水パイプからも上澄み液が排水されるというふうになっています。この上部の排水パイプがうまく機能しなかったために、汚水がタンクの蓋からあふれてきて臭いを発生していたというわけ。
化学薬品を使ってはいけない理由
私の旦那がこの家を買った時、元の持ち主に言われたことがあります。水を使いすぎないことと、できるだけ化学薬品を使わないことです。
彼は、この家の水が地下水からくみ上げられるので、その地下水が枯渇する恐れがあるからと理解していたようですが、今になってその理由が浄化槽にあることが分かりました。
つまり、水を使いすぎると浄化槽があっという間にいっぱいになり、処理機能が追いつかなくなること。そして、基本的に汚水は漉し取られて自然の中に排水されるので、オーガニックなもの以外の使用はよい影響を与えないということです。特に飲み水は地下水をくみ上げているので、それが汚染されないように気をつける必要もあります。
さらに、浄化槽は自然なバクテリアや菌のチカラを借りて、固形の汚物を分解するものです。ですから、殺菌力の強い化学薬品などを洗剤として使うと、その菌自体を殺してしまう可能性もあるからです。そうなると、浄化槽が機能しなくなります。
昔の人が考えたこのシステム、本当によくできている、と感心しました。